『BIツール』という言葉を耳にしたことはありますか? 経営企画等に関わっている方であれば耳慣れているかもしれませんが、そうでもないとあまりに聞いたことがないという方が多いのではないでしょうか。
BIツールとは、「Business Intelligence Tools」の略語です。 Business Intelligenceとは、「組織のデータを、収集・蓄積・分析・報告することで、経営上などの意思決定に役立てる手法や技術(Wikipedia)」のことであり、BIツールとはその活動を助けてくれるツールを指します。 今回は、BIツールとはそもそも何なのか、また、BIツールを導入する企業が増えている理由を解説します。
どうして注目されているの?
「データ分析なんて当たり前、なんだか今さら感があるような・・・・・・」 そんな印象を抱いてしまうのも分かります。
なぜなら、どんな規模の企業でも、日々様々な部署で多種多様なデータを集計し、戦略や経営方針の決定をしているはずだからです。 しかし、それでもBIツールが徐々に普及しているのには理由があります。 あなたの会社では、こんなことが起きていないでしょうか?
「データの集計、加工に時間がかかり、会議の直前はいつも徹夜…」 「各部署から必要な数値が集まるのが遅く、1ヶ月前のデータも見られない…」 「複雑な処理が必要で、社内でも一握りの人間しか集計作業ができない…」
現代のビジネス環境で、こうした問題を社内に抱えているのは致命的といっても過言ではありません。 過度な残業は従業員のモチベーションや健康に悪影響を及ぼしますし、レポーティングが遅くては改善速度があがりません。重要なデータを扱う業務を属人化させていては、その人間が退職してしまったときにどうにもならなくなってしまいます。
こうした課題を解決するものとして注目されているのがBIツールです。 以下に、BIツールがどのように役立つのか具体的に解説していきます。
BIツールはどのように役立つのか
集計・加工業務を効率化!分析や打ち手の立案に集中できる
人間の手でデータを集計し、見やすい形に加工するのにはかなりの時間と労力が求められます。多数の部署から集まってきたデータを、何日もかけて集計・加工しているという企業は少なくないのではないでしょうか。
そんな悩みを解決し、業務時間短縮に役立つのがBIツールです。一度必要な設計をしてしまえば、集計・加工の作業はBIツールに任せて、データを流し込むだけで必要なレポートが得られるようになります。
BIツールを導入すれば、複数のエクセルを開いてコピペしたり、思い通りに動かない関数に頭を悩ませたりといった問題がなくなり、本来注力すべき分析や打ち手の立案に集中できるようになるのです。
部署間の情報共有のスピードアップ
会議中や企画を考えているときに、他部署のデータが欲しくなったり、逆に自部署のデータを全社に共有したくなったりした経験がある方は多いでしょう。
データ管理が部署ごとに別々で行われていると、そうした対応が難しくなります。部署ごとに共有ストレージが分かれていてデータの保管場所が違ったり、それだけならまだしも、使用しているツールが異なるためにデータの閲覧さえできないというケースもあります。データの入手自体に時間がかかってしまっては、分析どころではありません。
そんなときに役立つのがBIツールです。社内の各部署が持っているデータをひとつのBIツールに入力していれば、いつでも誰でも欲しいデータにすぐにアクセスできるようになります。
BIツールを活用すれば、社内に散らばった情報を一元化して、スムーズに分析することが可能になるのです。
レポーティング業務の属人化から逃れられる
ExcelやAccessの操作にとくに詳しいスペシャリストだけが、経営数値の取りまとめやレポーティングを行ってはいないでしょうか?
複雑に組み込まれたマクロを駆使して仕上げるために、社内でも数人しかその業務に携われないというケースは珍しくないと思います。こうした重要な業務が属人化してしまうのは、経営上大きなリスクであると言えるでしょう。
BIツールを活用すれば、このような属人化のリスクから逃れることができます。複雑な集計や加工をBIツールに任せて、マウスで数回クリックするだけの簡単な作業で必要なレポートを得られるようになるのです。
データは活用してこそ意味がある
日々、社内に蓄積されているはずの膨大なデータ。それらを効率的に集計・分析ができるようになれば、経営改善や業務効率化の強力な武器になります。
しかし、膨大なデータを手作業で処理するのにはたいへんな労力がかかってしまいます。そうした労力を劇的に削減し、誰でも必要な経営データをリアルタイムに得ることができる、そんなことを可能にするのがBIツールなのです。