Webマーケティングとデジタルマーケティングは、詳細を知らない人には同じものだと混同されてしまいがちです。しかし、名称こそ似ているものの、この2つははっきり違うものだと定義され、異なる性質を持っており、その活用方法も別々でした。ところが、近年ではその垣根がなくなりつつあり、その違いは不明瞭なものになってきています。
この記事では、まずWebマーケティングとデジタルマーケティングのそれぞれの定義について述べ、続いてこの2つの違いについて解説していきます。そして、これからこの2つのマーケティング手法はどのように交わり、変化していくのかについて解説します。
Webマーケティングの定義
まずマーケティングとは何でしょうか。広義な意味でマーケティングとは顧客に商品への興味を持ってもらい、購入を促す活動を言います。それを踏まえてWebマーケティングの定義を解説すると、「Web上で完結するマーケティング」となります。
例えば、ネット上のサイトに設置された広告や、サイト内の回遊を促すためのページデザイン、検索エンジンでサイトを上位表示させるためのSEO対策がWebマーケティングにあたります。メルマガなどの営業手法はWebを用いないため、Webマーケティングではないのですね。
Webマーケティングでは、アプローチするユーザーをある程度絞り込めることが大きなメリットになります。サイトを訪れるという行動はそのユーザーにとって能動的な行動ですから、自然とサイトのコンテンツに興味があるユーザーが集まるのです。そのため、広告などで高い費用対効果が期待できます。
デジタルマーケティングの定義
対して、デジタルマーケティングはデジタルデータを用いたマーケティング手法を指します。上述したメルマガもデジタルマーケティングの一つですし、デジタルサイネージを利用した販促活動もそうです。
最近では、SNSやスマートフォンのアプリを用いてデジタルマーケティングを行うことも主流になってきています。身の回りの電子機器から得られた情報、つまりビッグデータをマーケティングに活かすIoT(Internet of Things)もデジタルマーケティングだと言えます。
2つの違い
Webもデジタルデータですから、Webマーケティングはデジタルマーケティングの一種ということになります。さらに違いを掘り下げると、オンラインで完結するのがWebマーケティングであり、オフラインも含めて完結するのがデジタルマーケティングであると捉えることもできます。
Webを利用するにはインターネットに接続する必要がありますから、Webマーケティングを行っている間は常にオンライン状態です。対して、デジタルマーケティングにおいては必ずしもオンラインである必要はありません。そのため、顧客がオフライン状態でもマーケティングを行うことができるということです。
これからのマーケティング
ここまでWebマーケティングとデジタルマーケティングの違いについて解説してきましたが、その差は徐々になくなりつつあります。というのも、この2つを分けて考えることに大した意味がなくなってきているためです。
近年のビッグデータ技術の向上により、デジタルデータで得られた個人データを用いて、さらに効率的なWebマーケティングを行うことが可能になりました。そのユーザーにより適した広告表示をWebサイト上で行う、などですね。
そして、その逆もまた然りです。どちらか一方で得られたデータをもとに、より効率的なマーケティングを行えるようになってきました。この傾向はこれからさらに進んでいくことが予想されます。そのため、片方だけに注目するのではなく、どちらも使いこなすスキルが必要になっていくと言えるでしょう。
おわりに
Webマーケティングとデジタルマーケティングの違いはWeb上だけで完結するか、そうではないか、です。同じ意味として誤用されることも多いこの2つの言葉ですが、定義上ではしっかりと違いがあることを忘れないことが大切です。
どちらか一方だけに注力するのは効率的ではありません。2つを上手に使いこなし、事業拡大を狙っていきましょう。